特定保健指導って実際どうなの?体験談を赤裸々に語ります(ネガティブ編)

育児

フリーランスを目指す管理栄養士さんが携わっているお仕事は様々ですが、まず特定保健指導に挑戦される方が多いのではないでしょうか。

特定保健指導とは「生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が多く 期待できる方に対して、専門スタッフ(保健師、管理栄養士など)が生活習慣を見直すサポートを行う」厚生労働省の国策事業です。

(参考URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000161103.html)

資格を活かして対象者さまの健康をサポートしていくやりがいのあるお仕事ですね。

私も独立前に友人のフリーランス管理栄養士さんから「単価がいいし、会社勤めよりスケジュールが自由で働きやすいしいいことづくめ!おすすめだよ!」と教わり、フリーランスに転身後は収入の主軸にしたいなと考えていました。

今回は私が特定保健指導に携わって初めて分かったこと、気づいたことの中から、ややネガティブな面をまとめていきたいと思います!

ネガティブなことを記事にするのはいかがなものか・・・と思いましたが、未経験で不安な方や、これから特定保健指導に挑戦してみようと考えている方にぜひ読んでいただいて今後の働き方のご参考になれば嬉しいな~と書いてみました。

※特定保健指導は正社員、アルバイト、業務委託など様々な形態でお仕事が出来ます。私の体験談は数社と業務委託契約を結んでお仕事を行った経験に基づいております。

ちなみに!ポジティブな面もまとめているのでぜひお読みください^^

想像していた特定保健指導はこんな感じ

  • 自由に働きたい時間に仕事を入れて、調整もしやすい
  • 単価が高く繁忙期は収入が良い

大きくはこの2点が魅力だなと考えていました。

会社員、正社員だと1日8時間、決められた日やシフトに従って出勤することがほとんどです。管理栄養士は特に臨床現場で働くことが多いので365日フル稼働の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私も病院に勤めていた時はお盆や正月もなく、時々早出もしつつ時間に縛られた働き方をしていました。そんな状況からすると自由に働くタイミングを調整できる保健指導はとても魅力的に映りました。

報酬については会社さんによって異なるので一概には言えませんが、対面で個別訪問を1件行うと3000~5000円くらいが相場かなと思います。

ちなみに、ICT面談(自宅から行うオンライン面談)は1000~2000円くらいの印象です。

病院勤務時代は1日に5~10件ほどの栄養指導を担当していたため、「えっ、5件指導したら15,000円・・・?!5件なんて、よゆーじゃん!」と捕らぬ狸のナントカをしてうきうきしていました。

そんなうきうきモードで突入した特定保健指導、いくつかの壁にぶち当たっていきます・・・。

①実はそんなに自由じゃない?

自分の働きたい時間に予定を入れて、好きに仕事を調整できる。概ね間違ってはいません。

ただし、私が契約したいくつかの会社さんでは、直接対象者さまに連絡して面談日時を決める必要がありました。

この連絡が・・・ほんとうに・・・・ネックでした。

一人ずつ電話やメールで日程調整のアプローチを行うのですが、メールはともかく電話がね、アレなんです。ほんとに。

会社さんによって様々かと思いますが、私が契約させていただいた業務委託先では6~8回の架電が必要でした。

連絡がつくまで、何度も、かつ朝9~夜21時ごろまで様々な時間帯で、平日土日まんべんなく、です。メールでアポイント調整が出来る場合も、返信がなければ自動的に電話での調整に切り替わります。(メールの時点でリアクションがない場合は8回電話しても出ていただけないことが多く、留守電の自動音声を聞きながらしんみりしていました。もちろん支援が出来ていないので無償です。。)

そしてここで更に大きな勘違いをしていた点が

②意欲的な対象者さまは実はほんの一握り

という現実です。もちろん本当にやる気満々で取り組みにご参加される方もたくさんお会いしました。そこは悪しからず。

フリーランスに転向して初めての特定保健指導!頑張るぞ~!と意気込んで、業務委託元のお仕事情報サイトから自分が対応可能な近隣の募集に片っ端から申込み、数十件を受託しました。

ふんふん、最初にアポイントを自分でとるのね。トーク例があるからそれに則って、マニュアル通り・・・

と元気いっぱいに連絡をしてみたところ

「辞退していいですか?」「仕事が忙しくてムリです」「断るとどうなりますか?罰金とかなければやりたくないんですけど・・・」「去年もやったけど痩せなかったしやりたくない」

と、出るわ出るわご辞退の意向。

病院勤務経験が長いゆえの落とし穴でしょうか。対象者さまはみなさん「健康診断結果を確認して、改善すべき点があると理解し、特定保健指導を受けようと思っている」方ばかりだと思っていたんですね。

実際は「忙しいのにまた呼ばれた。特に痛くもかゆくもないのに食事や運動にあれこれ言われるやっかいな電話だ!」みたいなリアクションが大半を占めていたんです。

最初は迷惑なセールス電話のような扱いをされることに衝撃を受けて辞退されるたびに心がすり減っていましたが、ネットや先輩方の体験談、会社さんの「辞退されない声かけマニュアル」などを調べつくして作り上げた「まあまあ、そうおっしゃらずに!」という説明を挟み、なんとか面談に漕ぎつける。

このひと手間が本当に苦手で大変でした。私自身が元々電話が苦手なのもあったかと思います。

ちなみに特定保健指導デビュー時に意気込んで申し込みをした数十件から面談に繋がったのはなんと5件以下でした。ショックだったなあ。

辞退された場合は架電謝金として200~500円が報酬としていただけますが、心の疲弊具合や費やした時間や労力を考えると正直採算はとれないかな。

苦い経験を経て現在は

  • すでにアポイントが決まっている事業所面談や会場型面談に申し込む
  • 対象者に参加意思がある個別面談のみ申し込む
  • アポイント調整が不要な業務委託先と契約する

この3点で心の平穏を手に入れました。

事業所や会場型は日時と面談場所が決まった状態で依頼が出ているのでアポイント調整が不要でスケジュール管理もしやすい反面、そんなに件数は多くないので、あればラッキー!申し込も!くらいのテンションで行っています。

元々考えていた1日5件のアポイントを獲得して15,000円の報酬を得ることがどれだけ難しいか、おわかりいただけたでしょうか。

確かに単価は高いです。ただ、その面談に至るまでの時間や、面談後の報告書作成などをふまえて時給換算すると、意外とそんなに高くないかも・・・というのが現実です。

これから特定保健指導にチャレンジしようと考えている方には、ぜひ!

・業務委託契約先がどのようなアポイント調整方法をとっているのか

・自分の特性は合っているか(電話が苦手、営業職未経験の方は少し練習と心構えが必要だと思います)

こんなことも考えていただけたら、スムーズにお仕事が開始できるのではないかな、と思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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